講師向けのセミナーやメール講座でも回数を重ねると必ず行き着くのが
「カリキュラムの立て方」。
書籍や購入、協会などで
カリキュラムを手に入れて
レッスンを実施していたとしても
いずれやってくるその課題。
初心者の時はわからないから、
手に入れたものを「そのまま」実行になりますよね。
私もそうでした。
回数を重ねていくと、
内容、目的、組み立てが
少し分かるようになって
組み替えたり、差し替えたり
出来るようになる。
これは、リトミックでも
ピアノでも同じですよね。
リトミックのカリキュラムの立て方
については
なかなか語られている書籍も少ないですね。
子どもの才能が開花する
リトミック&ピアノ講師養成講座 主宰 加山佳美です。
あまり情報のない「リトミックカリキュラム」についてお伝えしていきます。
目次
カリキュラムを立てるときの留意点
次の点に留意していきます。
(1)縦と横の掛け算
(2)テーマ・目的・ねらいを明確に
(3)考察や子どもの様子を記録
(4)1レッスンの中の
要素の順番は入れ替わっても
何かの要素が抜けても・膨らんでも
差し障り無いようにする
つまり、
1回1回閃きや思いつきのような
「あ、これやってみよう」
「今度こうしよっかな〜」
では無いということです。
小学校の授業で見てみると
どの学年になったら
どの授業と決まっていますよね。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/index.htm
こちらの表は時系列(学年)が
横軸になっています。
今後縦に文章が進んでいきますので
縦軸と横軸を
書き換えてみると
こんな感じです。
(縦と横はどちらがどちらでも良いです)
ちなみに音楽の授業数を入れてみました。
ピアノのレッスン回数より
少なくなりますよ。
そして、その中で
更に
教科ごとに
内容が細かく決まっています。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/on.htm
縦と横の掛け算
リトミックの縦✕横は
(A)
年齢やクラス、時間の経過
✕
リトミックの要素
(B)
年齢やクラス、時間の経過
✕
1レッスンのカリキュラム
となっていきます。
テーマ・目的を設定する
(2)
テーマ・目的・ねらいを明確に
1回のカリキュラムを
なんとなく立てていませんか?
単発レッスンだとしても、
月2回でも、
月3回でも
毎週でも、
異年齢でも
イベントでも
どんな形態のレッスンでも
そのレッスンの
テーマ
目的
ねらい
を設定して下さい。
幼稚園や保育園、学校などに
勤務経験がある方は
日案などに細かく書きますよね。
イメージ的なもの
- 「秋の季節を感じて」
- 「山に出かけたら?」
- 「乗り物大好き」
具体的に
- 4分音符の導入
- ダイナミクスを感じて表現
- イメージを感じて自己表現を楽しむ
- 拍子の聴き分け
「テーマ」と「目的」
が
イメージ的なもの、具体的なもの
どちらがどちらでも大丈夫です。
両方同じはNGです。
例えば
ーーーーーーー
「テーマ」
リスさんと仲良し
「目的」
秋を感じて
ーーーーーーーー
↓
直してみましょう
========
「テーマ」
リスさんと仲良しになって秋の山を探検しよう
「目的」
イメージを持って音価の動き・ステップが
出来るようになろう
山登り(2分音符)
山下り(8分音符)
どんぐり拾い(リズム)
そっと歩く(2分音符)
===========
「テーマ」は
月ごと、2ヶ月毎、
3ヶ月、シーズン
どの単位でもOK
「目的」はレッスンごとが
おすすめです。
毎週レッスンがあるクラスの
「目的」は
少しずつスライドしていっても
良いです。
是非、カリキュラムの冒頭に
テーマ・目的を立ててみて下さい。
「柱」が出来上がって
進行が変わってきます。
特に
- なんかレッスンがバラバラ
- 次の活動へ行く時に迷う
という先生にオススメです。
1レッスンを全部ストーリーを
持たせる必要は無いですが、
ここを目指しているから
これ
という部分があると
お母さん側にも
伝わりやすいですよ。
考察や子どもの様子を記録
「振り返りにとっても重要なこと」
↓
(3)考察や子どもの様子を記録
です。
何かを実施した時、
実施した後、
「考察」は必要です。
どうだったか?
どれだけ達成できたか?
次はどうするか。
難しく考えるとペンが進まないので
生徒さん、子どもたち、
保護者の方の様子が
どうだったか
のメモ書き
で良いと思っていて下さい。
=======
太郎くん、スムーズに入室
A子ちゃんお片付けでぐずる後、
ご機嫌
2分音符導入
楽しそうだった
B子ちゃん足の使い方うまかった
C子ちゃんのママから
発語について相談受ける
〇〇〇の声がけは良かった
==========
こんな感じです。
慣れてきたり、
書くことが得意な先生は
音楽的な面について
もっと記録しておいても
来年度などに役立ちます。
また、
レッスンを二人体制
お手伝いの方がいる
場合などは
事前にどう分担するかの
打ち合わせを含めて
それがどうだったか?
も考察が出来るかは
とっても大切です。
私が一番始めに
親子リトミックを開設した際は
楽器店の音楽教室に
同期で入社した先生と組んだので
とても話しやすく、
恵まれていました。
その時は
二人で分担して
「必ず全員のお母さんと話そう」
と言っていました。
準備したり、
相談されたり、
ギリギリにいらっしゃったり、
すぐ帰られたり
「あらっ?」
ということがないようにしました。
そして、レッスン後
シェアしました。
大体視界に入っていれば
- あぁ〜話しているな
- あんなこと話しているのかな
と把握しているのですが、
自分が余裕が無い時は
フォローが助かります。
考察、記録をしておくと
- 1年や半年でどれくらい成長したか
- レッスン内容で
- いつもうまくいくこと
- いつもつまずくこと
が分かってきます。
そして、それを
半年後
1年後に見直して、生かすことが
出来ます。
「記憶」というのは曖昧なものです。
すっごく悔しい思いをしたならば
絶対にしたくないと思うでしょう。
(自分の失言で生徒さんが
退会してしまったとか)
レッスンの質を向上していくためには
日々の積み重ねがあれば
発見できます!
少しずつTRYしてみて下さい。
レッスンの順番
=============
(4)1レッスンの中の
- 要素の順番が入れ替わっても、
- 何かの要素が抜けても
- 膨らんでも
差し障り無いようにする。
=============
リトミックレッスンをしている先生、
リトミック要素を取り入れている先生、
どんな形式で書いていますか?
ノートや指導案に
進行順を書き出して
レッスンした際に、
こんなことはありませんか?
- ストーリーが進まない
- 順番を覚えるのが大変
- 一つ一つの要素がバラバラに感じる
- 子どもの様子によって上手く進行できない
- 逆にサーーーっと進み間が持たない
- 次の活動への繋ぎがわからない
これらの解決策は
- 縦の羅列を守ろうとしないこと。
- 活動のメインは何?
→前号の「テーマ・目的」を設定していれば
大丈夫ですよ。
時系列を「縦」に書いた時に
縦の列の一つに
「要素」を入れてみましょう。
「導入」
「季節の歌」
「手遊び」
「音価」
「即時反応」
「楽器を鳴らす」
「ソルフェージュ」
などです。
そして、今回の
「メイン活動」は何か?
もしくは
前回からの引き続きの活動は?
- 導入すること
- 継続して吸収すること
- まとめのこと
を上手くスライドさせると良いですよね。
私は
親子リトミックだと月3回
幼児コースは年間40回なので
月3回あるいは4回あります。
なので、月ごとにこれが上手く収まります。
月2回だと
ペース配分が少し違ってきますよね。
縦に書いたレッスンカリキュラム例
もし、二人組み、
アシスタント、お手伝いの先生とご一緒の場合
「順番が変えられない」
「内容が通じない」
呪縛があります。
そこで、
イメージ的には
こんな感じ。
「どこが膨らむか」
「どこがメインか」
「子どもたちの様子によって」
どこかが膨らみ
どこかが小さくなるかも
という可能性を持つ。
もっと理想は
上記の様に立てたカリキュラムが
もしかして
下記の様になっても
(赤線にご注目)
(赤線の順番が変わりました。)
テーマ、
目的、
メイン活動、
が
しっかりしていれば
成り立つし、
レッスンの柱があれば、あるからこそ
どうにでも行ける
ということです。
なぜなら、
目の前の「こどもたち」の様子を見て
音楽を奏でることがリトミックだからです。
*このカリキュラムは
一例で書きました。
前後の組み立てで
テーマが変わってきます。
自分の教室をどうしていくか、
迷っている方、
ご遠方の方
↓
ご希望の日程の候補を3日挙げてくださいね。